サビアンシンボルは、宇宙言語といっても
いいくらい神秘的な暗示なので、その解釈
は、占星術家によってさまざまです。
私も独自の解釈をしていますが、適当に
解釈したのではなく、ちゃんとした感性
にもとづいたものであるという事を、
サビアン占星術家の大家の解釈と比較して
ご覧いただこうというシリーズです。
長いですが、是非サビアンの奥深さを
知っていただきたいと思います。
今回は、サビアンシンボル徹底比較その2
です。
今回取り上げるのは、また解釈に違いの出て
来やすそうなシンボルで、
牡牛座15度
「マフラーと粋なシルクハットを
身につけた男」です。
まずはすでにご紹介しているあんみんの
解釈を自分の記事から引用しますね。
“これはおしゃれをしている人という
イメージですね。
まあ1925年当時のアメリカの
ファッション感覚なんかはわかりませんが、
これはオシャレな格好ということらしい
です。
サビアンシンボルは角度だけではなく、
連続した時間のシンボルでもつながって
いて、一つのサイン30度をさらに6つに
わけたそれぞれの五度ずつがグループ
としての意味があるとされています。
つまり1度~5度とか26度から30度など
のような分け方です。
そうなると同じ11度から15度のなかでも、
牡牛座12度の
「ウィンドウショッピングをする人々」
たちの買い物が、今日のシンボルのおしゃれ
にもつながりますし、昨日のシンボル
「貝殻と遊んでいる子供たち」の遊び心の
大人版が今日のシンボルともいえますよね。
子供の頃といえば遊ぶ時でもなんでも、
まわりのことや外見などほとんど気にしま
せんでしたよね!?
でも大人になるにつれてまわりの目が気
になり出します。
それを窮屈なものとしてみても、あまり
エネルギーになるものではありませんので、
逆にいいところや個性的なところを見せよう
という遊び心が、おしゃれなどにつながって
いくのだろうと思います。
春になってこれから外へ出ようというときに
おしゃれをするというのは自然な意識でも
あるかも知れませんよね。
シンボルではマフラーなので冬をイメージ
するものですが、私はシルクハットが
真冬というよりは、冬から春にかけての
時期だと読み込めます。
とにかくおしゃれな感覚で外ら出たという
イメージが粋という表現に表れていると
思います。
つまり人前に出る事を前提としたシンボル
だという事です。
人の目を気にしないでいくのが自分に合う
という方は、そのままでいいと思いますが、
女優やアイドルのように人に見られることを
常に意識する人は、それなりに自分を磨い
たりするものなので、やはりそれだけ輝いて
見えることが多いですよね?
もちろん外見だけでなく、自分をファンの方
が見てくれてると思って「やる気のパワー」
に変えるスポーツ選手や、見守っている
家族のために頑張ろうとしているお父さんも
同じ意味として通じます。
人に見られる事、また意識される事を逆に
パワーに変えたりすることもできると
いうのが今日のシンボルの暗示だといえ
ます。”
長いですね💦このシンボルはつまり人に
みせる事を意識した、大人の遊び感覚という
ことをいいたかったわけです。
そして見られる事を逆に自分のエネルギー
としている姿だともいってますね。
このシンボルの説明では、5度のシンボル
が同じテーマとしてつながっていて、最終の
この5の倍数(5度、10度、15度、
20度25度、30度)では、そのテーマの
結末、または総決算のような意味となる
という事です。まずは、今回の15度に至る
4つのシンボルをならべてみますね。
牡牛座11度「花に水をやる女性」
牡牛座12度「ウィンドウショッピングを
する人々」
牡牛座13度「荷物を運ぶ男性」
牡牛座14度「模索している貝殻と
遊んでいる子供達」
とこのようにならんでいますが、これに
今回の15度のシンボルを合わせた5つに
共通するテーマがあるという事です。
あんみんは、まずは牡牛座の性質を表現し
ている、美や愛情、快楽の追求として、
11度、12度、14度、15度が
それぞれ美に対する愛情から遊び感覚へ
とつながって行く様子を、まとまった
意味として捉えました。
ただその中では、13度の荷物を運ぶ
男性だけが異色ともいえる意味になる
のですが、これも牡牛座の生産性から
来る働く事の喜びを表現しているので
人々への愛情や、自らの収入による遊び
感覚も内包しているという事で流れを
受け継いでいるとみます。
さてこのテーマの流れを松村潔氏は
「豊かさを追求してリスクを負う」
と解釈しておられますが、ん?
リスク?
あんみんの解釈とは、少し違うよう
ですね。
では松村潔氏の牡牛座15度
「マフラーと粋なシルクハットを
身につけた男」
の解釈の引用をさせていただきます。
“寒い冬の風から自分を守る服装をして
歩く男は、プレッシャーがやってくる
ことを予期して、それに立ち向かう姿勢
を持っています。14度の経験の結果、
自分の能力のどこに能力があるのかも
知っています。
11度から果てしない欲望の増大があり
ましたが、それによって自分が窮地に陥る
体験をしても、それは自分で墓穴を掘った
に過ぎないのです。そのようなことを自分
でちゃんと意識して、リスクの多いビジネス
をする人は、自分で自分の処理ができるの
ですから責任ある人物といえるのです。
どのサインにおいても15度は第3
グループの総決算の度数ですが、牡牛座の
場合、このグループは経済活動や消費活動
に関わることが多いので、こうした経済
活動においてのメリットとデメリット、
問題点などすべて知り尽くし、あえて挑戦
するような人を表す度数だといえるわけ
です。
「粋なシルクハット」というシンボルは、
リッチで大人的なセンスを表していて、
惨めな夜逃げの人という印象はありま
せん。
この牡牛座の11度から15度までの
危険な旅は、基本的にそんなに不幸な結末を
迎えてはいないということも意味します。”
“出典:「決定版!!サビアン占星術」
松村潔著 Gakken刊”
まずは、あんみんとだいぶ違う解釈です
よね。この11度から15度のテーマは
豊かさを追求してリスクを負う危険な旅
ということのようですが、あんみんは
とてもそのような感覚が沸き起こりま
せん。基本的にエリス女史のイメージを
そのまま素直に受け取ろうとしている
のが、私の解釈の仕方なので、イメージ
をそのまま素直に読み込めば、リスクを
背負う危険な旅だとは読めないはずだと
思います。11度の愛情と美のシンボル
から、12度の豊かさの共感、そして
13度の堅実な生産性(ここにも危険な
ビジネスのイメージは全くありません)、
14度の安全な場所での自由な探究と
遊び心、そして最後のみられる事を意識
しての大人の遊びというのが、あんみん
の読み込んだ、この5つのシンボルの
流れです。
おそらく西洋占星術の多角的な観点から
上記のような解釈をされたのだと思い
ますが、あんみんは、サビアンシンボル
そのものを解釈の基準の中心において
いるのでこのような違いが出たものと
思われます。
特に最後の今回の牡牛座15度の男性は、
プレッシャーに立ち向かう姿ということ
ですが、わたくしのこのシンボルの
ポイントは「粋なシルクハット」という
シンボルイメージです。
つまり粋なとわざわざ形容しているだけ
エリス女史の感性に訴えかけるものが
あったということです。粋なという
ことは、素直におしゃれ、遊び感覚です
よね、だから私は、とりわけ12度の
ショッピングや14度の子供たちの遊び
の流れを説明して、この15度でそれを
大人の進化形として、まとめたのです。
立ち向かうために粋なものを身につける
必要はなく、もっと実用的な装いにする
のが、妥当な感覚だと思いますから、この
シンボルに立ち向かうというイメージは
湧いてきませんでした。
では直居あきら氏の解釈を見てみま
しょう、「定本サビアン占星学」からの
引用です。牡牛座15度のシンボルの
ことをこちらでは英語での表記にされて
いるようです。
“タウラス15度
「粋なシルクハットを被った男が厚着を
して寒さを防ぎ、嵐に立ち向かう」
このディグリーの人は人生で一時期、
地位の低下や失脚を経験しそうだ。
自らを捨てる人もいる。現象面をみると、
かなり苦しい設定がされている人生だが、
ものは考えようだ。
(中略)
このディグリーでは、生きる勇気が試され
ており、そのハードルはこの人自らが選択
したテーマである。それ故、この人は
飛び越える力を持っていることを信頼して
欲しい。たとえ、一時的に苦しいことに
なっても、制限された意識が変容できれば、
本当に素晴らしい。
表面的な立場にしがみついている人たちが
哀れにみえるくらい、世界が広がっていく
だろう。”
“出典:「定本サビアン占星学」
直居あきら著 魔女の家®BOOKS刊”
こちらも立ち向かう男性というイメージ
でとらえられていますね、そもそもこの
シンボルの表現はディーン・ルディヤー氏
の解釈したものなので、松村氏も直居氏も
その解釈の影響を受けているということ
です。
エリス女史、嵐とか厚着とか立ち向かう
とかは全くイメージとして口に出して
いないので、ルディヤー氏が自分の感性で
付け加えたものであろうと思われます。
私あんみんは、エリス女史の神秘的な
エネルギーの媒体としての能力を信じて
いるので、彼女のイメージそのものを、
純粋に受け取る事が、解釈の中心になって
います。ルディヤー氏の西洋占星術家
としての知識や感性について異論をさし
はさむつもりは、全くありませんが、
サビアンシンボルを素直に受け取る私と
は、解釈に食い違いが出てくるのは、
自然なことのように思われます。
松村氏も直居氏もルディヤー氏の解釈の
影響を受けての解説をされているので、
あんみんの解釈とは違って当然という
ことになりますね。
またエリス女史のチャネリングイメージ
を描き取ったマーク・エドモンド・
ジョーンズ氏の解釈によるキーワード
は「洗練」です。
今回あんみんは、確かにこのジョーンズ
氏の解釈につながる解釈ということになり
ます。つまり洗練は、あんみんの解釈の
他人に見られる事を意識した遊び心に
通じるからということです。
もちろんサビアンシンボルの解釈は、
個性が出るのが当然なので、このように
比較研究して理解を深める事が大事
だと思います。
ではまた次回(^_^)
ではまた(^^)/